野村総研(NRI)の「海外神話」崩壊?2026年1月30日の決算後暴落が示唆する実態

はじめに
2026年1月30日、日本のITコンサルティングの絶対王者である野村総合研究所(NRI)の株価が激震に見舞われました。決算発表直後の急落(4701円(前日比-984円、-17.31%))。一見すると「市場予想をわずかに下振れただけ」に見える数字ですが、その裏側には投資家が最も嫌う**「成長シナリオの前提崩壊」**が隠されています。
これまで「国内の盤石な収益基盤」と「海外での高成長」という二段構えでPERを高水準に維持してきたNRIですが、今回の決算はその片翼が折れたことを示唆しています。今回は、なぜこの暴落が「単なる押し目」ではないのか、そしてなぜ目標株価を5,000円へと見直すべきなのか、その論理的根拠を深掘りします。
本文:なぜ「想定内」の数字で「想定外」の売られ方をしたのか
今回の暴落の引き金は、第3四半期決算における海外事業の失速、とりわけ営業赤字への転落にあります。
1. 「海外=成長の源泉」というレトリックの終焉
市場がNRIに高いマルチプル(PER)を与えてきた最大の理由は、オーストラリアや北米などでの海外M&Aによる非連続な成長期待でした。しかし、蓋を開けてみれば海外事業は減速どころか「赤字」。構造改革費用の計上を拡大するという発表は、裏を返せば「買収したアセットが想定通りに機能していない」ことの白状に他なりません。
国内事業が順調であるからこそ、海外の「不透明な泥沼化」がコントラストとして浮き彫りになり、投資家は「結局、NRIはドメスティックな成功モデルを海外で再現できないのではないか?」という疑念を抱き始めたのです。
2. 目標株価5,000円を導き出す「期待値の剥落」
現在の株価水準(暴落前は6,000円近辺)は、海外事業の黒字化と再加速を織り込んだ「パーフェクト・シナリオ」に基づくものでした。しかし、前提が変わった今、評価を修正する必要があります。
- プレミアムの剥落: 成長株としてのプレミアムが剥がれ、国内ITサービスとしての適正水準(PER 15〜18倍程度)に回帰すると仮定。
- ダウンサイド・リスク: 第4四半期に追加計上される構造改革費用、および来期以降の海外再建コストを考慮すると、EPS(一株当たり利益)の伸びは鈍化せざるを得ません。
これらの要素を論理的に積み上げると、現在の過剰な期待を削ぎ落とした5,000円前後という数字が、極めて妥当な着地点として浮かび上がってきます。
3. 「見えないリスク」への警戒感
投資家が最も嫌うのは「不透明感」です。今回の決算で示された「海外事業の構造改革の範囲拡大」という言葉は、まだ底が見えていないことを意味します。コンサルティング会社が自社の海外戦略のコンサルティングに苦慮しているという皮肉な状況が、ブランド価値そのものに影を落としている点は見逃せません。
最後に(感想)
個人的な視点ですが、今回のNRIの暴落は、日本の大手SIerやコンサルファームが直面する「グローバル化の壁」を象徴しているように感じます。国内のDX需要という「温室」で稼いだ利益を、不慣れな海外市場で溶かしてしまう構図は、これまで何度も繰り返されてきた悲劇です。
「NRIならやってくれる」という盲目的な信頼が崩れた今、株価が5,000円という適正水準で「地に足がつく」のを待つのが、賢明な投資家のスタンスではないでしょうか。今は焦って拾う時ではなく、新しく書き換えられたシナリオを静かに読み解く時です。
もちろん、足元の業績自体が悪いわけではなく、今回の暴落は下がりすぎではあります。ただし、片翼が不透明となった今は、当分の間株価が従来の値まで快復する事はないでしょう。少なくとも海外事業は、抜本的なテコ入れをしなければならない状況です。十数年使って、ゆっくりやってきたのだから、もまともな海外事業責任者をいれて、ちゃんとビジネス育てられたはずなのになぁ。。。会社と海外人材を見極めるケイパビリティがなかったという事で、これからのウルトラC期待です。

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